みちのく代表。伊達な虫。

みちのく山奥。我がアトリエの前。

ルリボシカミキリを見ました。

夏になると、我が家のあたりでは、よく見かけるのですが、調べてみると既に貴重な種になりつつあるようです。

よく見かけるというより、よく目立つので見つけてしまう、という表現が当たっています。とにかく、ご覧の通りの美しさ。よくまあ、こんな色になって生まれてきてくれたものだと、感心してしまいます。大きさはほんの1センチか2センチほどの小ささです。

絵具そのまま。しかも、ただの水彩とかではなく、岩絵の具などの純粋で高級な顔料を思わせる、上品かつビビッド、まるで宝石のような美しさは、確かに瑠璃(るり)色としか表現しようがないと思います。我が国固有の種であり、しかもあまりの美しさから、日本の国虫(「こくちゅう」と呼ぶのでしょうか)として誰もが認めているのだとか。

このルリボシカミキリを見ると、夏の到来を実感しますし、何とも言えない幸せでおしゃれな気分になるのは、私だけでしょうか。

そういえば、もともと私たちの国、日本。古来より生活の中に美術の生きていた、世界に冠たるおしゃれな国だということは周知の事実です。その、おしゃれな国の中にあって、さらにおしゃれの代名詞を生んだのがみちのく人だということは、意外と知られていないかもしれません。どちらかと言えば、質素倹約を旨として、地味なイメージが先行している、我がみちのく人と、この地域です。

400年以上もさかのぼった昔からつい100年ほど前まで、みちのくの中でも最先鋒かつ最大の領地を誇った伊達仙台藩がありました。その藩主を始めその藩の人々の服装や振る舞いが、派手で奇抜でさえあったことに起源を発して、伊達〇○という言葉がいくつも残っています。藩主と家来がおそろいの武具を揃えて戦ったとか、参勤交代で江戸市中を通る時、「伊達が通る、伊達が通る」と大騒ぎになるほどのいでたちだったとか、まさに「伊達おとこ」のルーツらしい逸話がたくさん残っています。

「だてめがね」「男だて」「だてや酔狂で~」「だてまき」「~もだてじゃない」などなど。 その語源を知らなくとも、日本人の多くがこの「おしゃれ」「格好いい」を意味する「だて(伊達)」という言葉を自然に使っています。

そういえば、今でも、ちょっと下界に足を延ばして、旧伊達藩現みちのく某小都市に出かけると、街を闊歩する女性たちのおしゃれ具合と立居振舞の洗練度は、首都圏に負けるどころか、おそらく圧倒的にリードしていることをいつも実感します。そして、あの世界中の女子を虜にしたルーズファッションの時代、世のおじさん方を辟易させたあの奇抜なスタイル文化も、なんとこの某小都市のたった一人の女子高校生から始まったということは有名な話です。

まさに、質素倹約・質実剛健の気風も有しながら、その昔から文化の発信地でもある、我がみちのくです。

ということで、、

そんな歴史を知ってか知らずか、山奥の我が森をみちのくらしい伊達な姿で飛び回るルリボシカミキリ。短い夏を小さな体で豪華に飾ります。

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青 ねおんちゃん
本業、絵描きです。 みちのくの、そのまた奥の、とある国定公園の森の中。 ハーブとバラと野菜とモノづくりをこよなく愛し、追い求めて幾星霜。 みなさんに発信したいことが、今、山ほどあります。
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