みちのく山奥。我が菜園。
国道を挟んだ向かい側の繁みに、 カラハナソウ 、通称山ホップがたわわに実をつけていました。日本ではその姿から、「毬花」と呼ぶようです。
大きさは2~3センチほどの文字通り丸くてふわふわした、淡い緑。緑は緑でも、ごく薄い儚げな黄緑です。我がみちのくの高原地帯や北海道では、秋になるとよく見かける愛嬌のある植物です。 一房ちぎって香りをかぐと、そこはかとない香ばしさがあります。
呑兵衛の皆さんなら、中でもビール通の皆さんなら、この実をひと目見て、ああビールに使うあれね、と思い出すどころか、もしかしたら憧れの植物ではないでしょうか。しかも、その辺に自生している?と驚かれる方もいるはずです。
それもそのはず、だれがどう見ても、 ビールの香りづけに使用する例のホップそのものですし、この山ホップを初めて見た外国の学者が、ビール作りに実際使って、結果美味しいものはできなかったという古い記録があるほどです。よく言えば優しい味、悪く言えばパンチと苦みに欠けた味、といったところでしょうか。パンチと苦みこそ、ビールの命と言っても過言ではありませんので、要するに役不足ということになりそうです。
姿かたちは、そっくりですが、そんな感じでビールには使えそうにない、ちょっと残念な実かと思いきや、、、。
なんと!この山ホップ、山菜としてその新芽は美味しいという話もあるようです。身近にこれを食べたという話は一切聞いていませんが、もしかしたら、隠れた名品の可能性もあるかもしれません。
事実、本家ヨーロッパ原産のホップの新芽は、国によっては、1キロ15万円もする世界一高価な山菜として流通しているのだとか。日本の松茸をもはるかにしのぐ珍味と言ってもいいかもしれません。試してみる価値はありそうです。
新芽はソテー、実はてんぷらと、用途も広いようです。なにぶんにも私自身は食したことがないものですから、今一つ確信に欠けた表現になってしまっていることをご容赦願いたいと思います。
みちのく山奥に古来より居を構える、質実剛健、質素倹約を旨とする私たちですが、伝統に弱くて新しい一歩を踏み出すことには躊躇する、よく言えば控えめな性分。どなたか代わって試食してみていただけないでしょうか。よろしくお願いします。
「山ホップ 毬花つまみに 秋ビール」
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