みちのく山奥、秋の我が菜園。
菜園を仕切るささやかな柵のほど近く、その周囲に、大きさ5ミリほどの小さな白い花がちらほらと目立っています。見た目は、小さな桜の花びらのようです。
もしかしたら、ただの雑草として見過ごしてしまいそうですが、実は古来より、優秀かつ効果てきめんな薬草として名高い、ゲンノショウコです。夏からこの秋真っ盛りの今現在まで、長い間咲き続けています。
最近では、花もやや落ち着いてきて、種をつけ始めているようで、下の写真はまさにその様子です。小さく尖った種の連なりが、まるで剣山のようです。
このゲンノショウコ。胃腸の薬として、昔から重宝されてきたことは有名です。なんと!日本の国民的おなかの薬、某「正〇丸」にも使われているのだそうで、これは今回初めて知りました。しかも、漢方ではなく、日本独自の生薬、あるいは民間薬ということだそうで、何もかも母なる国、中国由来ではないのだということにちょっと嬉しさを感じました。ゲンノショウコという変わった名前も、飲んだらちゃんとしっかり、すぐ効く、よく効く「現の証拠」という意味からきたのだそうで、要するに用途とその効能がそのまま名前になった由緒正しい珍しい植物なのだと思います。
生薬といえば、、
私自身、心も体も虚弱、みちのく人にあるまじき情けない体質であることを告白したいと思います。ですが、何故かアルコール飲料の摂取についてだけは、種類を選ばずあればあるだけ飲んでしまうという、昔から酒に滅法強いみちのく人気質を忠実に引き継いでいるように思います。二日酔いの経験もほぼ皆無なのに加えて、前述の某国民的薬のお世話には、ほとんどなったことがありません。
小さくて薄いピンクが勝った白。触っただけではらはらと散ってしまう儚げな姿。その形と色。秋の野辺に咲く小さな桜の花びらのようなゲンノショウコ。本家のように髙いところから散ってくるわけではありませんが、道端でさりげなくはらはらと舞い散ってはいるのです。 今は、そう、さしずめ道端に小さく低く咲く桜の脇で、季節外れのお花見中、といったところです。
そういえば、酒そして桜ときたら、、「酒無くてなんの己が桜かな」という、楽しい言葉があったのも思い出しました。 私にぴったりの都合のいい素敵なことわざだと思います。
ということで、、
ゲンノショウコ → おなかの薬 → 酒飲み → 花見 → 桜 → ゲンノショウコ → おなかの薬 → 酒飲み → 花見・・・・・・・
以上、健康的酒飲みの無限ループが完成です。
「秋深し 胃薬右手に 酒うまし」
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